戦争記録画を撮る

第4室でパウル=クレーを見終わると、第5室は戦争記録画だ。

藤田嗣治 「哈爾哈河畔之戦闘」いつ見ても、牧歌的なパノラマのように私には見える
実際には凄惨なもう一枚があったとの話がある
平山周吉『戦争画リターンズ』第20回 坊主頭の藤田嗣治が描いたノモンハンのタテマエとホンネ

中に、敵兵がいるのかいないのかわからないのだが、戦車に銃剣をさし込むあたり、絵画的に私には思える

同じ部屋には、鶴田吾觔の「神兵パレンバンに降下す」とか

佐藤敬 「クラークフィールド攻撃」

等もあるが、もう一つ心に残るのが 小川原脩「成都爆撃」だ。
絵としてはいかにも写真的で、味付けも薄いように思える。そこに作者の心の暗部を感じるというのは幾分うがった見方であろうか?

自らの戦争責任に真摯に向き合う元従軍画家・小川原脩
じつは、企画展にあったこの倉庫の写真は小川原脩の、《アッツ島爆撃》(1944)にちがいない。