石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」

年末に借りて、新年早々に読了 

石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」 (朝日新書 57)

石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」 (朝日新書 57)

 

 

昭和20年3月根油等拡充増産対策措置要綱[5が閣議決定

「200本の松の根で 航空機が1時間飛ぶことができる」がスローガン

 

松の油の乾留にに必要とされる窯は3万7000基、鉄不足の中、国民から鉄器の供出が行われた。日本中で延べ4000万人が勤労動員されて、山中の松の根が掘り起こされた

 (中略)

「[『米国戦略爆撃調査団石油報告』は、こうした計画が戦争に及ぼした影響は、「日本が労働力と装置の不足している最中、その双方を奪い取ったことである」と分析している

敗戦後の昭和20年代、台風、豪雨の時に各地の山地で土石流が発生して、大きな被害をこうむるという形で、松の木を掘り起こした後遺症が表れることになる (P144~145より抜粋)

 これを打ち込みながら、つい最近のことと似ているようで・・・・

松根油は語る1 - 須々万共和国

松根油 - Wikipedia

 

実はこの次に読んだ「佐屋路」(昨日の日記)にこのような記述がある

街道に風情を添えていた松並木は、夏には緑陰をつくり、冬には積雪を防ぐ実利もあった。その道路維持には沿道諸村がそれぞれ担当丁場を割り当てられ、掃除、普請、並木の管理等にあたった。街道に美しい景観をもたらしていた松並木も、戦時中の松根油採取のための伐採、戦後の道路拡張の工事のために、姿を消してしまった。P28