生物と無生物のあいだ

 話題の書である。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

その昔というか、今年の二月に「課外授業〜ようこそ先輩〜」で拝見してから注目していた方である
http://d.hatena.ne.jp/ky823/20070227 2007-02-27

専門的な内容以外の、風景や情景の描写が素晴らしい
専門的な部分をどの程度自分が理解できたのか定かではないのだが
なるほど、読んでいて「唸らせる」ところが多い
amazonの書評は総じて「辛い」ものが多いが、自分のようにこの方面に「疎い」ものからすると
こうした切り口で紹介していただける本は喜ばしい限りである
特に付箋をつけた箇所は以下の通り

 仮説と実験データとの間に齟齬が生じたとき、仮説は正しいのに、実験が正しくないから、思い通りのデータが出ないと考えるか、あるいは、そもそも自分の仮説が正しくないから、それに沿ったデータが出ないと考えるかは、まさに研究者の膂力が問われる局面である。実験がうまくいかない、という見かけ上の状況はいずれも同じだからである。ここでも知的であることの最低条件は自己懐疑ができるかどうかということになる。(P67)

秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない(P166)

生命とは動的平衡にある流れである(P169)

内部の内部は外部である(P197)

機械には時間がない。原理的にはどの部分からでも作ることができ、完成した後からでも部品を抜き取ったり、交換することができる。そこには二度とやり直すことのできない一回性というものがない。機械の内部には、祈りたたまれて開くことのできない時間というものがない。
 生物には時間がある。その内部には常に不可逆的な時間の流れがあり、その流れに沿って折りたたまれ、一度、折りたたんだら二度と解くことのできないものとして生物はある。生命とはどのようなものかと問われれば、そう答えることができる。(P271)

紹介されている主な人々
オズワルド・アベリー(エイブリーともいう)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC
オズワルド・アベリー - Wikipedia



キャリー・マリス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%B9
キャリー・マリス - Wikipedia

PCRの誕生―バイオテクノロジーのエスノグラフィー

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マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)



ロザリンド・フランクリン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B6%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3
ロザリンド・フランクリン - Wikipedia

ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実

ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実

分子生物学の夜明け―生命の秘密に挑んだ人たち (1982年)



ジェームズ・ワトソン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%88%E3%82%BD%E3%83%B3
ジェームズ・ワトソン - Wikipedia

二重らせん (講談社文庫)

二重らせん (講談社文庫)



フランシス・クリック
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF
フランシス・クリック - Wikipedia
熱き探究の日々―DNA二重らせん発見者の記録



モーリス・ウィルキンスhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B9
モーリス・ウィルキンス - Wikipedia

二重らせん第三の男

二重らせん第三の男



エルヴィン・シュレーディンガー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%BC
エルヴィン・シュレーディンガー - Wikipedia
生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)


ルドルフ・シェーンハイマー
ジョージ・パラーディ


最後に、ジグソーパズルのメーカーが紹介されていた
http://www.yanoman.co.jp/ ジグソーパズルのやのまん
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