1136304681*さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

年末に買っておいたこの本も一気に読むことができた
さすがにベストセラーだけに読みやすく、おもしろい

会計版「捨てる技術」
 こういった考え方はなにもビジネスに限ったことではない。一般の家庭でも一緒で使われないモノがあるなら、それには「在庫コスト」がかかっているはずだ。(中略)
 他にも、「いつか使うかも」系のモノはだいたい無駄になりがちであり、その分スペースを取ったり(場所代)、整理や処分の手間(人件費)がかかったりしてしまう。
模様替えや引っ越しをするときも、モノが多くてはたいへんだ。
 だから、「損をしないために在庫を減らす」という考え方は家庭でも見習うべきだ。(中略)
本々雑誌にしろ、衣服にしろ、日用のちょっとした備品にしろ、在庫にはコストがかかると考えるようにしないと、すぐにモノはたまりにたまってしまう。たまってしまってから考えても遅い。
私の妻ではないが、使わないものはさっさと捨ててしまったほうがいい。なかなかすぐには習慣づけられないと思うが、たとえば、「1週間使わなかったら捨てる」「1ヵ月読まなかったら捨てる」など、なにかしらの期限を設けると、すんなり捨てられるようになるはずだ。
 賞味期限がある食料品だけではなく、製造業の現場でも、「6ヵ月間使わなかった材料は滞留在庫置き場に移動させる」「1年間使わなかった材料は廃棄処分にする」といった決め事がちゃんとあるのである。
 必要なものを必要なときに必要な分だけ また、在庫は悪だという考え方を持っていれば、買い物をするときの行動も変わってくる。
 たとえば、買おうしているモノが「1コ100円」と「5コ400円」で売られていたとしたら、単価では100円と80円であり、まとめ買いしたほうが得な気がする。
 しかし、結局は2コしか必要ではなく、3コが在庫として残ってしまって損をするなどということはよくあることだ。この場合だと、2コで400円も払ったあげく、捨てる手間までかかっているのでまったくの無駄だ。
 潰れる企業は、大量に仕入れたことで失敗していることが多い。大量に仕入れても結局は売り尽くせないから、在庫がたまってしまって、でも代金の支払いはあるからにっちもさっちもいかなくなって、それで大安売りセールをして大赤字というパターンだ。

在庫だらけ、買いだめ癖のある自分には身につまされる文であった