<軽度発達障害フォーラム(Ⅲ)愛知県立大学

期待を上回る充実した一日となった

講演(AM10:00〜12:00)
発達障害児が示す挑戦的行動を予防するためのソーシャルスキル指導の要点」
講師:小栗正幸(鳥取少年鑑別所 所長・心理専門職)

2時間が短すぎると感じる、楽しくも充実した講演=好演であった

  • 挑戦的行動と子どもの社会性
    • 周囲を困らせやすい子ども
      • 対人関係のルールが分からない
        • 失礼なことを言ったりやったりしてしまう
        • 内緒話の意味が分からない
        • 親友〜友達〜顔見知りの区別がつかない
        • 相手も自分と同じように考えると思う
        • やりたいと思ったことをがまんできない
        • 思いついたことをパッと行動に移す
  • こうしたことは経験を通して修正されるが、経験が学習に結びつきにくい子どももいる
  • 指導にあたって留意していること
    • 人間関係の改善に役立つ行動を増やす
    • 自尊心を高めるのに役立つ行動を増やす
    • 危機管理に役立つ行動を増やす
  • 指導の計画性を重視する
    • アセスメントと個別的教育計画(IEP)
  • 指導の実証性を重視する
    • ベースラインの測定と介入後30%以上の変動がポイント

この最後にある「ベースラインの測定と介入後30%以上の変動」=「指導効果の測定」こそが
学校現場に不足しているようである
たしかに、官製研修でも「個別の指導計画の重要性」は指摘されるのだが
「書類を作成する」ところまでがやっとの状態であるようだ
また、自らの計画に対する「評価」が不十分に思える 大いに反省した

午後のシンポジウムも刺激的であった

シンポジウム(PM1:00〜4:00)
テーマ:「軽度発達障害と少年非行」
内容:軽度発達障害と少年非行について,医療・心理・教育の立場からそれぞれの見解・実践等を紹介していただき,医学的・心理的・教育的な観点から,診断・教育など関する援助・指導のあり方について考えていく。
 企画・司会:堀尾良弘(愛知県立大学 助教授)
  話題提供者:定本ゆきこ(京都少年鑑別所・医師)
        松井俊史(宇治少年院 統括専門官・教官)
        細井保宏(岐阜少年鑑別所 首席専門官・心理専門職)
  指定討論者:小栗正幸(鳥取少年鑑別所 所長)

http://d.hatena.ne.jp/ky823/20061025
http://d.hatena.ne.jp/ky823/20061107
でも言及した、宇治少年院の話がはやり感動的であった
質問でも出たのだが、20年3月をもって閉鎖となるのは誠に残念であるが
そこで育まれた種子が、いろいろなところに蒔かれることを祈る
「人事異動でこの東海地区も熱くなる」というのが小栗氏の弁であった