パール判事

この夏の、終戦記念日前後の特集番組でパール判事が取り上げられていたことはすでに述べた。
http://d.hatena.ne.jp/ky823/20070813

http://www.nhk.or.jp/special/onair/070814.html

そのころ、ジュンク堂で買っていた本がこれである。書評を書きそびれたのだが、大変良い本であった。

パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義

パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義

序章より
…パール判事に対する関心は、近年の右派ナショナリズムの興隆に伴って、ますます高まっている。(P12)
…このような文脈でパール及び「パール判決書」を引用することは、適切な行為とは思えない。「パール判決書」の一部分を都合よく切り取り、「大東亜戦争肯定論」の主張につなげることは大きな問題がある。
 長大でかつ難解なことで知られる「パール判決書」をじっくり読み込んだ上で、議論を展開している論客はほとんど存在しない。「日本無罪論」というミスリーディングな表現によって勝手な解釈がなされ、ご都合主義的に流用され続けているのが現状である。
 では、パールが自らの判決書で訴えたかった真のメッセージとは、何だったのだろうか? かれは東京裁判を批判した意図は、どこにあったのだろうか?
 本書では、近年右派勢力によって盛んに語られるパールの実像に迫るべく、はじめ彼のインドでの生い立ち・法学者としての活躍を検討する。そして、東京裁判中のパールの動向を追った後、「パール判決書」を詳しく読解する。さらに、彼が東京裁判後に繰り返し訴えた主張(再軍備反対、憲法九条の護持、非武装中立、非同盟外交、世界連邦の重要性、ガンディーの非暴力主義、絶対平和主義…)を取り上げ、彼の思想の根源に迫る。(P14〜15)

以下ほとんど、このサイトが私の言いたいことを代弁しているように思える
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/Pal.html


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こちらの本では、新宿中村屋、銀座ナイルレストランの話が出てきている。
あー東京へ行きたくなった!