夜の画家 ラトゥール

夜の画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

夜の画家 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

さすがに、価格相応の迫力もあり、圧倒される
絵肌のわずかなひび割れまでが、絵画の息づかいのように伝わってくる
以前紹介した贋作者たちはこれすらリアリティをもって再現したのかと思うと
別の意味での感動も覚える
それよりも、こうした画家が意外にも日本では大きく取り上げられてこなかったのは
何だかすごく不思議である

「いかさま師」の女性も怖いが
「女占い師」の(手下である若い方の)の女性もすごい

色白でこざっぱりとした顔立ちの奥には、むざむざとだまされるだけでなく
持ち物まで盗みとられる愚かで哀れな若い男が笑える
(例の彼女に鎖を切られている)

さまざまなマグダラのマリアの作品も
ひどく今日的であり、うっとりすると同時に
得も言われぬ哀感が漂っている

2年前の東京での展覧会に行きそびれた自分が恥ずかしい